2018年3月に東アフリカ初の公立不妊治療病院が開業予定

2018年3月の開業を目指して現在、メルク財団の援助でウガンダの首都、カンパラに東アフリカ初の公立不妊治療病院が建設中です。これができれば、ウガンダ、ケニア、ルワンダ、タンザニア、ザンビア、シオラレオネ、リベリア、ガンビア、ガーナ、エチオピア、コートジボワールなどのサハラ以南の国々に安全な不妊治療へのアクセスが見込まれます。
  
とはいえ、東アフリカ諸国における出産率は決して低くありません。トップのブルンジは一人当たり6人近くの子どもがいます。続いてウガンダ(5.4)、タンザニア(5.2)、エチオピア(4.6)、ルワンダ(4.2)、ケニア(3.9)と続きます。なのに、なぜ不妊治療施設が必要なのでしょうか。
  
人口増加ばかりが取り上げられるアフリカ諸国ですが、WHOの調査によると、アフリカでは続発性不妊の割合が高く、中央アフリカでは全体の不妊率は32.2%にもなります。原因として最も多いのが性感染症や中絶・分娩後の不適切な処置の骨盤内感染による卵管障害です。第二に多いのが男性不妊ですが、不妊症は女性側のみの責任とみなされがちです。不妊症の夫婦はコミュニティからの孤立や偏見に悩まされますが、特に女性は夫や家族からも激しい差別を受け、大きな問題となっています。
    

子供ができないニジェールの女性は占い師にこう言われます。
  
「子どもを授かるためにはめんどりの子宮を取り出して4日間太陽の光で乾燥させてすりつぶし、ネズミ、タカ、ハリネズミ、聖なる言葉を書いた紙を混ぜてハゲワシの巣の中に入れ、夫と寝る前に飲みなさい」
    

結婚して11年経っても子どもができない女性はこう言います。
  
「私が妊娠しないから夫は2番目の妻をもらいました。新しい妻は夫の兄の家でメイドをしていた人です。出て行ってもいいと言われましたが、私は家に残りたいと言いました」
    

IVFは妊娠を助ける効果的な技術ですが、治療費が高く保険がきかないので、治療を受けることができるのは不妊人口の5%のみと言われています。このたび開業予定の公立不妊治療病院では、IVFの費用を10万ウガンダシリング(約3125円)以下に抑えることができるだろうとメルク財団の最高責任者であるDr Rasha Kelejは言います。
  
不妊症でつらい思いをされているのはどこでも同じです。この施設ができることで不妊予防についての注意が喚起され、不妊症に対する偏見が緩和されることを期待します。
      

<参考>
■Angela Oketch, East Africa: First Public Fertility Hospital to Open Next Year, All Africa, 2017/09/10
■The Fruiteless Tree, 制作 Les Films du Balibari / Maggia Images フランス/ニジェール, 2016年
■天野静、渡辺裕、鳥居潤、川口レオ、青山温子、「開発途上国における不妊症と生殖補助医療」、名古屋大学医学部、Journal of International Health Vol.24 No.1 2009

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