早産予防薬の安易な使用に警鐘

2017年10月11日、国立成育医療研究センターは早産予防の目的で使われる子宮収縮抑制剤「塩酸リトドリン」を妊婦に投与すると、生まれた子どもが5歳になった時にぜんそくになるリスクが高まるとの研究結果を発表しました。

早産治療において、入院による安静に加えて塩酸リトドリンは多くの産科で第一選択薬として使用されており、『産婦人科診療ガイドライン‐産科編』にも切迫早産の治療法として記載されています。

国内では保険適用になっていますが、米国では承認されておらず、EUでは2013年10月に「リスクがベネフィットを上回る」として内服薬の承認が取り消され、点滴薬は子宮収縮抑制剤としての使用は48時間以内に制限されました。また、キッセイ薬品工業が02年に厚生労働省に提出した副作用情報集計資料によると、承認から約17年間で母体に重篤な副作用が251例ありました。内訳は肺水腫が87例、無顆粒球症関連が132例、横紋筋融解症が32例となっています。

今回、研究結果を発表した国立成育医療研究センターは「塩酸リトドリンは新生児死亡の大きな要因である早産予防の有効な薬だが、使用が長期にわたる場合は注意すべきだ」としていますが、日本医科大学多摩永山病院の中井章人医師も塩酸リトドリンの有効性は認めながらもこう指摘しています。「塩酸リトドリンは子宮収縮抑制薬であって予防薬ではありません。本来はおなかの張りの強い人に入院して点滴で投与するものであって、外来で予防的に内服薬を長期間処方するのは好ましくありません」。

<参照>
■「早産予防薬で子にぜんそくリスク」、神戸新聞、2017/10/13
「死亡例も 妊婦が知らない早産治療薬のリスク」、週刊朝日、2014年11月28日号
「早産治療薬『日本でも使用中止を』専門家が警告」、週刊朝日、2014年11月28日号

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