中国の産後の風習「産後の閉じこもり」

鹿児島県では「産後75日はわけぎ、柿、梅を食べてはいけない」、栃木県では「鶏の初卵を食べれば子宝に恵まれる」といった妊娠・出産にまつわる風習は日本でも各地にありますが、中国では産後1カ月は家に閉じこもる風習があります。BBCニュースの報道から一部引用して紹介します。

中国の伝統医学では、出産直後の女性は冷たい空気に弱く、母親と赤ちゃんの免疫力は非常に低いと考えられています。病気を避けるために母親は産後1カ月間外出せず、来客を断り、シャワーを浴びない「産後の閉じこもり」生活を送ります。

母親の体力を回復させるのによいという見方がある一方で、キングス・コレッジ病院の神経科医、キット・ウー医師は、自身も出産時は産後の閉じこもりをしたと言いますが、閉じこもりが産後うつ病にかかっている母親たちに与える影響を懸念しています。

中国に限ったことではありませんが、出産は人生における幸せな時であると思われているため、多くの母親が産後うつ病の症状を隠すとウー医師は言います。また、母親は健康上の問題があっても自分で解決しようとする傾向があるため、閉じこもることで母親と子供の健康に悪影響を及ぼすおそれがあることもウー医師は懸念しています。

イングランド公衆衛生局は「保健当局者や助産師は文化や伝統を尊重するための訓練を受けている」と述べ、よりその人に合ったサポートを提供することに前向きです。とはいえ、風習を守ることに固執しすぎて母子の健康が損なわれては本末転倒です。固定観念にとらわれず、時代や環境にあった形で受け継がれた知恵を活用してほしいと思います。

<参照>
■Amber Haque , Why British Chinese mothers won’t go out after giving birth, BBC Victoria Derbyshire programme, 13 November 2017

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする