WHOがネットゲーム依存を疾病指定へ

最近の患者さんは最新の海外論文も読みこなし、本当によくご存じだと感心することしきりですが、深夜を過ぎてもインターネットをさまよっている患者さんにある先生がこう言われていました。

「ネットにはあなたの解決法はありませんよ」

ネットの情報は参考にはできるけれども、ご自身の状況をよく見て自分で考えないと、という意図だと思います。

私たちの生活になくてはならないものとなったインターネットですが、一時も手放せなくなることで社会生活に支障をきたす例も多く報じられています。

この情勢を反映して世界保健機関(WHO)は2018年の国際疾病分類(ICD)の改訂草案にゲーム依存を初めて盛り込みました。改訂版は2018年5月の総会を経て、6月に公表が予定されています。

最終草案によると、「ゲーム症・障害」は

・他の興味や活動よりもゲームを優先させる
・ゲームをする衝動が止められない
・問題が起きているのにゲームを続けたりプレー時間を増やしたりする
・個人や家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じている

と定義され、こうした症状が1年以上続くとゲーム障害と診断されます。

これまでもゲームを含むネット依存はたびたび指摘されていましたが実態の把握が困難でした。新しく定義されることで統計調査に役立てられることが期待されています。

今回は研究結果が多い「ゲーム症・障害」が疾病として分類されますが、Facebook、LINE、Twitter、InstagramなどのSNS依存も深刻です。承認されたい、つながりたいという欲求がSNSでハードルが低くなった分、より大きな反動になって表れています。

お正月は旧友との親交を深めたりいろいろなところへ出かけることも多いと思います。画面から少し視線を外して、目の前の人と過ごす時間を大切にできるよい機会ではないでしょうか。インターネットは便利なものだからこそ、使われるのではなく使いこなしていきたいと思います。

<参照>
「『ゲーム障害』を精神衛生疾患に分類、WHO草案」、CNN、2017/12/28
■野上英文、「ネットゲーム依存、疾病指定へ WHO定義、各国で対策」、朝日新聞、2018/1/3

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