イブプロフェンと男性不妊の関連を示唆する研究について

鎮痛薬のイブプロフェンが男性不妊に関係する可能性があると示唆する研究が発表されました。

18歳から35歳の男性31名のうち一方のグループにイブプロフェンを1200ミリグラム、そしてもう一方のグループに偽薬を毎日6週間服用させたところ、偽薬グループと比較してイブプロフェンを服用した男性は2週間後、脳下垂体から分泌されテストステロンの産生を刺激するホルモンであるLHレベルが23パーセント増加しました。しかし、LHレベルの変化にも関わらず男性のテストステロンレベルは変わりませんでした。テストステロンの産生が減少した時、体はLHレベルを上昇させて調整しますが、これは主に高齢の男性に見られ生殖障害と関連しています。

また、要約にはこうあります。

イブプロフェンに曝露した成人睾丸組織としていないものを用いてライディッヒ細胞とセルトリ細胞由来のテストステロン産生を含む内分泌能力は転写抑制を通して抑制されたことを明らかにした。ヒトのステロイド産生細胞株においてもこの効果は観察された。ヒトの睾丸内の選択的転写抑制によってイブプロフェンが内分泌系を変え、それゆえ代償性性腺機能低下症を誘発する。

同じ影響が今回の実験よりも少ない量でも起こるのか、また長期間イブプロフェンを服用した男性において元の状態に戻ることができるのかについては明らかではありません。

この研究結果について、ネット上ではイブプロフェンと男性不妊の関連を煽るような記事が散見されますが、今回の研究は小規模であること、さらに精子産生や他のより直接的な男性生殖の指標を調べていないのでイブプロフェンと男性不妊の因果関係を確定するにはさらなる研究が必要であると思います。今後の進展が期待されます。

<参照>
■David Møbjerg Kristensena, Bernard Jégoub, et al. “ Ibuprofen alters human testicular physiology to produce a state of compensated hypogonadism”, PNAS, December 1, 2017
■Rachael Rettner, “ How High Doses of Ibuprofen May Impact Male Infertility”, LIVE SCIENCE, January 9, 2018

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