米国でADHD治療薬を処方される妊娠可能年齢の女性が急増

2003年から2015年の間にADHD治療薬を処方されている米国の妊娠可能年齢の女性の数は300パーセント以上増加したと米疾病対策センター(CDC)が発表しました。

調査には15歳から44歳の女性患者でADHD治療薬を薬局で処方された外来患者のデータが用いられました。ADHD治療薬を処方された女性の割合は2003年の0.9パーセントから2015年は4パーセントに上昇しました。すなわち344パーセントの増加になります。処方の伸びが最も大きかったのは25歳から29歳の女性で700パーセントの上昇、次いで30歳から34歳の女性で560パーセントの上昇でした。

妊娠中の女性によるADHD治療薬使用が増加していますが、その安全性についての合意は形成されていません。米国ではその半数が予期しない妊娠であることを考えると、妊娠可能年齢の女性がADHD治療薬を使用することで胎児の発達において重要な妊娠初期に曝露してしまう可能性があることが懸念されています。

2003年の5.5から2015年は7.2になり、1年あたりのADHD治療薬の平均数も増加しています。2015年に妊娠可能な年齢の女性に最も頻繁に処方されたADHD治療薬はアンフェタミン塩、リスデキサンフェタミン、メチルフェニデートでした。リスデキサンフェタミンは2007年にFDAに承認され2番目に多く処方されていますが、妊娠前と妊娠中の女性におけるADHD治療薬の安全性を調査したほとんどの分析が利益のある薬としてリスデキサンフェタミンを含めていません。

エビデンスは限定的で断定するには議論の余地がありますが、妊娠中のADHD治療薬使用は自然流産を含む不良な妊娠結果のリスクを増加する可能性があります。出生異常のリスクに関してADHD治療薬の安全性は大部分が解明されていません。

最近行われたADHDにり患している妊婦の2つの大規模研究は、妊娠中の興奮誘発薬服用は周産期と胎盤異常のリスクを若干上昇させると示唆しています。しかし、どちらの研究もそれらのリスクはADHDが治療されないリスクと慎重に検討されるべきであると警告しています。

メディアや広告で取り上げられるようになって病院を受診する人が増えたことも一因だと思われますが、近年、日本でもADHDと診断される人が増加傾向にあり、米国のようにADHDの投薬が増えていくのではないかと予想されます。今後の研究結果が待たれます。

<参照>
■Kayla N. Anderson et al., “Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder Medication Prescription Claims Among Privately Insured Women Aged 15–44 Years — United States, 2003–2015”, Centers for Disease Control and Prevention, Weekly / January 19, 2018 / 67(2);66–70
■Megan Brooks, ADHD Prescriptions Skyrocket Among Young Women, Medscape, January 18, 2018

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