残留農薬と不妊

農薬は人間の健康や環境に悪影響を及ぼします。
ハーバード大学の研究によると、不妊治療を行っている女性で残留農薬が多い果物や野菜を一日に2つ以上食べると報告した女性は、それらをより少なく食べると答えた女性よりも妊娠率が26パーセント低いことがわかりました。

毎年、農産物における農薬の消費者ガイドを発刊している環境作業部会(Environmental Working Group)によると、最も農薬の危険が危惧される農産物はイチゴです。
米国農務省が47の果物や野菜から39000のサンプルをテストした結果に基づいて作成されたリストによると、ホウレンソウ、リンゴ、ブドウ、モモ、サクランボ、トマト、セロリなども残留農薬の懸念があります。

EWGの上級アナリストであるLunderさんは、農薬が心配だが高い有機農作物を買う余裕がなければ、スイートコーンやキャベツ、タマネギ、パイナップル、キウイなど農薬の危険が低い食材を選択するといいと言います。

農薬は生産現場でも大きな問題になっています。

食糧農業機関(FAO)のグラジアノ事務局長は「第2次世界大戦後は化学物質を大量に使用して食料を増産してきたが、世界の飢餓は根絶できておらず、土壌、森林、水、大気、そして生物多様性が損なわれ続けている。健康的で栄養価の高い食料を提供し、環境も保全する持続可能な食料システムを推し進めていく必要がある」との見方を示しています。

「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間であるかを言いあててみせよう」という美食家のブリア・サヴァランの言葉のとおり、その人が口にするものはその人の考え方を表します。
見た目を気にする消費者が過剰な農薬使用の一因であることは否めません。
消費者が健康や環境を重視すれば企業も変わります。食材を選ぶという小さなことでも、一人ひとりの選択は現状を変える大きな力になると思います。

<参照>
■Yu-Han Chiu et al, Association Between Pesticide Residue Intake From Consumption of Fruits and Vegetables and Pregnancy Outcomes Among Women Undergoing Infertility Treatment With Assisted Reproductive Technology, JAMA Intern Med. 2018;178(1):17-26. doi:10.1001/jamainternmed.2017.5038

■Blanca Blake, Environmental Working Group’s ‘Dirty Dozen’ Lists Pesticide-Laced Foods, aliveforfootball, April 11 2018

食料生産 「アグロエコロジー」への転換を 国連食糧農業機関、AFP BB NEWS、2018年4月7日

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