塾に習い事にと今の子どもたちは夜遅くまで忙しい毎日を送っています。
肉体疲労時の栄養補給に飲まれていた栄養ドリンクはかつては中高年のものでしたが、最近ではカッコいいパッケージに一新され、エナジードリンクとして子どもたちにも人気です。
しかし、米国スポーツ医学会、米食品医薬品局(FDA)、米国小児科学会は子どものエナジードリンク摂取に警告を発し、英国の大手スーパーマーケット、TescoやWaitrose、Bootsなどが16歳未満へのエナジードリンクの販売を禁止しています。
エナジードリンクに対する最大の懸念はカフェイン含有量に制限がなく、カフェインを高濃度に含んでいることです。
また、糖分も多く、一般的な飲料には含まれないハーブ、タウリン、高濃度ビタミンなども含まれています。
エナジードリンクに含まれる過剰なカフェインは、精神症状だけでなく心血管、神経、胃腸、腎臓、内分泌系などにも悪影響を及ぼすことが懸念されています。
米食品医薬品局(FDA)のエナジードリンク飲用後に起きた有害事象の集計結果によると、気分不良、顔面紅潮、睡眠障害、体重減少、悪心、血圧不安定、心筋梗塞、心停止等の報告があり、死亡例も複数あります。
ソフトドリンクの一種と見られがちなエナジードリンクですが、一般的な飲料とは明らかに違うものであることを消費者の多くは知りません。
目先のパフォーマンス向上につられて健康を損ねることのないよう、飲用には充分気をつけてください。
<参照>
■慶野永、「小児のエナジードリンク摂取に警告 米国スポーツ医学会が公式声明」、Medical Tribune、 2018年3月22日
■坂口恵、「米FDAが呼びかけ “エナジードリンク”使用の際は医療関係者に相談を」、Medical Tribune、2012年11月20日
■坂口恵、「米小児科学会がエネルギー・スポーツ飲料摂取について勧告」、Medical Tribune、 2011年6月2日