胎児の過剰発達を予防する

糖代謝異常合併妊婦は巨大児を出産する可能性があります。

巨大児は肩甲難産が起こりやすく、出生後の呼吸窮迫症候群や糖尿病性新生児病のリスクに加え、将来的な糖尿病や肥満症も懸念されます。

胎児の過剰発達を予防するために何ができるのか、岡山大学大学院産科・婦人科学教室の牧尉太さんの第61回日本糖尿病学会における発表、「妊娠と糖尿病-胎生発育を巡る課題」から一部引用してお伝えします。

胎児の過剰発達を予防するために重要なこととして、牧さんは以下の3点をあげています。

①妊娠前・初期から母体の体重や糖代謝異常を管理する

妊娠糖尿病と肥満の有無は過体重児の発症と関連がある、また、妊娠前BMI値や妊娠中の血糖値などが過体重児の危険因子になるとの報告があることから、妊娠中の体重増加量だけでなく妊娠前体重の確認や持続した血糖管理が重要です。

②妊娠糖尿病治療効果のタイミングを知る

母胎と胎児の高血糖に起因する膵β細胞過形成のスイッチが入ると児の体重増加を抑制することは困難であることから、妊娠中期までの介入が必須です。そのために「産婦人科診療ガイドライン-産科編2017」で定められている妊娠24~28週までのスクリーニングと精査を遵守すべきです。

③危険因子に着目する

妊娠週数ごとの胎児の推定体重や妊婦のHbA1c値、GA値などを記録し、産婦人科と内科が連携して妊婦の健康管理に当たることが重要です。

妊娠前の体づくりが巨大児の発症を防ぐ3本の柱の1つであることは重要な指摘であると思います。

<参照>
■今手麻衣、「妊娠糖尿病で巨大児をいかに予見・予防するか」、Medical Tribune、2018/6/6

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