NHKスペシャル ニッポン“精子力”クライシス

世界中で精子力、すなわち受精して妊娠を成功させる力が衰えていることが指摘されています。

欧米の調査でこの40年間に精子の数がほぼ半減したことが明らかになりましたが、日本は欧州4カ国と比較してそれより精子が少ないことがわかりました。
※リンク先を下にスクロールしていくと該当記事「この40年間で西側諸国の男性の精子数が半分以下に」があります。

精子力の危機をもたらす三大要素として、精子数の減少、運動率の低下、DNAの損傷があげられます。

メンズヘルスクリニック東京の辻村晃さんは、男性の5人に1人が不妊リスクを抱えていると指摘しています。30代以降は活発な精子の数が大きく減ります。辻村さんは精子数が減っている状況に加えて男性、女性ともに初婚年齢が上がり、ピークが過ぎてから結婚するため悪い条件が重なっていると言います。

精子に奇形があると受精卵の分割が順調にいきません。これに関するゲストの鈴木おさむさんのコメントが印象的でした。
鈴木さんの奥様、森三中の大島美幸さんは不妊治療を経て出産されました。
鈴木さんはこう言います。

妻が二回流産して、二回とも自然妊娠だったので自分は問題ないと思っていたけど、検査をしたら運動率が悪いとか精子に不調がありました。

これポイントですよね。

不妊って子どもができるとこまでと思ってたんですけど、受精したけどすぐ流産してしまったりというのも女性の問題と思われがちだけど、精子の問題が大きいのかなと思っています。

これに対して、獨協医科大学の岡田教授は「おっしゃるとおりです。おそらく半分くらいは精子側の因子。お盛んだから精子力が強いわけではありません。外見からはわかりません」とコメントしています。

「子どもはもう作らないから」という男性も、精子力の衰えは様々な病気のリスクと関連があるという指摘もあり、決して他人事ではありません。

南デンマーク大学のジェンセン教授は、精子は健康のバロメータであるといいます。
精子の数が少ない人は多い人に比べ糖尿病が50パーセント、心血管疾患が40パーセント高いことがわかりました。精子の状態が悪い人は健康状態が悪いことも多いと言います。

また、順天堂大学の堀江重郎教授は、精しょうは血液よりも敏感に体調を反映するので健康リスクの早期発見に利用できる可能性を模索しています。

精子は74日のサイクルで新しく作られるので改善が可能です。実際に番組内で2人の男性がこまめに動くようにする、食生活をみなおす、短時間でも質のよい睡眠をとるといったことで、半月ほどで一人はテストステロンが倍増、もう一人も酸化ストレスの数値が大きく減少しました。これについて岡田教授は、高価な薬ではなく生活習慣のみなおしで効果が大きく表れたことを評価しています。

岡田教授は「精子力アップの七箇条」として以下をアドバイスしています。

【活性酸素除去・テストステロンアップのために】
1)軽めの運動:激しい運動は精子力を落とす。
2)禁欲しない:精子が入れ替わっていかないといけないので禁欲は2日間くらいで十分。
3)亜鉛の摂取
4)体重管理
5)質の高い睡眠:7時間程度を確保。睡眠時間が6.5時間未満の人は7時間の人に比べて精子の数が約2割少ない。寝る前にスマホを見ると睡眠の質が下がるので就寝30分前にはスマホをやめる。
【その他】
6)長風呂・サウナを避ける。
7)ぴっちりした下着をはかない。

他にも、喫煙は最低1年続けないと意味がないこと、動物性の脂肪酸は精子力を弱くすることを指摘していました。

ゲストの方が「男が自分の体を大切にしてこなかった」と言われていましたが、個々の数値に一喜一憂するのではなく、妊活をきっかけにご自身の健康を守るという観点から生活習慣を見直すのは長い目で見たらよいことだと思います。

<参照>
■NHKスペシャル ニッポン “精子力” クライシス、 2018年7月28日放送

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