【クロ現】“精子力”クライシス

NHKが立て続けに精子の危機について特集を組んでいます。9月19日にクローズアップ現代で「“精子力”クライシス 男性不妊の落とし穴」が放送されましたが、男性不妊に関してはまだ認知も充分ではないのが現状だと思いました。

日本の体外受精の実施件数は世界最多ですが、採卵1回あたりの成功率は台湾と米国が約35パーセント、スウェーデンが約25パーセント、イタリアが約15パーセントであるのに比較して日本は約5パーセント強と最低レベルで、その原因の一端は精子力の衰えにあると考えられています。

しかし、産婦人科医を対象に行ったある調査では、男性に不妊の原因があると疑われる場合でも泌尿器科医への紹介を積極的には行っていないケースが全体の4割に上りました。

その理由として「産婦人科医でも男性の治療はできる」「男性を治療する間に女性が加齢し、卵子の老化が進んでしまう」「男性不妊の専門医が少ない」などがありますが、番組では「一部の病院では不妊治療による利益を優先しているのではないか」という意見も紹介されていました。

ご自身も不妊治療の経験がある放送作家の鈴木おさむさんは「傷つくのは女性なのに、なぜ男性側の問題がもっと早く取り上げられなかったのかというのが疑問で仕方がない」と言います。

2回自然妊娠していたので自分の精子に問題はないと思っていたけれども、2回流産し、後になって精子に問題があると育たないことがあることを知って、「これをもっと世の中の男性が知らなければいけない」と思ったそうです。

また、日本で70年前から精子バンクを行ってきた慶応義塾大学は、8月に新たな患者への精子提供を一時停止しました。それまで秘匿としてきた提供者の情報を将来開示する可能性があると大学側が方針を転換したため、精子提供者が減ったからです。

男性不妊の問題を患者、医療機関、そして社会全体がもっと真剣に考えなければいけないという鈴木さんの指摘は、現状の大きな問題点の一つであると思います。

<参照>
■NHKクローズアップ現代、「“精子力”クライシス 男性不妊の落とし穴」、2018/9/19

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