高血圧治療はチーム医療で

第41回日本高血圧学会において、医師の85%が高血圧治療に苦慮している状況が報告されました。旭川医科大学内科学講座講師の中川直樹さんが医師に高血圧治療に関するアンケートを行ったところ、わずか1カ月間で全都道府県の1129人の医師から回答が寄せられたことからも手詰まり感がみられます。

「高血圧治療を行う上で、生活習慣の是正は必要だと思いますか」の質問に対して95.2パーセントの医師が「必要だと思う」と回答し、92.7パーセントが減塩、体重管理、運動、禁煙、節酒などの生活習慣是正の指導をしています。

しかし、日本の高血圧患者のうち治療中でコントロール良好な患者は27パーセントに留まることからも、実際に生活習慣が改善されているかどうかは大いに疑問です。

また、薬物療法を開始しても「患者が一生飲むのは嫌という」「患者が自覚症状に頼り、飲みたがらない」「患者が薬に対する偏見や副作用を心配する」「患者がマスコミの情報やサプリメントを信じる」ので、84.6パーセントもの医師が「高血圧治療(薬物療法)を行う上で困ることがある」と回答しています。

行動を変えるまでには患者さんとの充分なコミュニケーションが必要ですが、そのための時間が取れないのが現状であることもアンケートでは浮き彫りになりました。

これらを踏まえて、中川さんは「高血圧患者には保健指導が必要で、そのためには専門医、かかりつけ医、薬剤師、保健師・栄養士、行政などの多職種連携が重要」と述べています。

医療専門職は一般によく知られていないところがありますが、薬剤師は薬を調剤する、栄養士は献立を作るというイメージ以上に、近年、業務内容は多岐に渡り、その中で医師と患者をつないだり、生活の悩みを聞くなど精神的に患者さんを支えていることも少なくありません。中川さんの指摘は今後の医療環境において重要であると思います。

<参照>

医師の85%が高血圧治療に”困っている”、Medical Tribune、2018年10月22日

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