基礎生物学研究所のグループが精子幹細胞の数を一定に保つ仕組みを発見

基礎生物学研究所、生殖細胞研究部門の北舘祐助教と吉田松生教授の研究グループがマウスを用いて精子幹細胞の数を一定に保つ新たな仕組みを発見したと発表しましたので紹介します。

精子幹細胞が精細管の血管の近くを特に好んで動き回っていたので、血管の近くで多く作られるタンパク質を探したところ、リンパ内皮細胞で作られる線維芽細胞増殖因子(FGF)を見つけました。

FGFを多く取り込んだ精子幹細胞は、自己複製しやすくなるとともに分化(精子を作る)しにくくなります。FGFの産生量を増減したマウスの精巣を解析したところ、FGFが作られる量と精子幹細胞の数は直線的に相関しており、「常に一定量作られるFGFを精子幹細胞が取り込み、取り込んだFGF量に応じて自己複製と分化の確率が変わる」ことがわかりました。

今回、マウス精巣において幹細胞数を一定に保つ新規のメカニズムが明らかになったことで、ゲノムに変異を持つ幹細胞の異常な増加や加齢に伴う幹細胞機能の低下などの研究が進展することが今後の展望として期待されています。

<参照>
■自然科学研究機構 基礎生物学研究所 日本医療研究開発機構、精子幹細胞の数を一定に保つ新たな仕組みを発見、2018.12.21
■Yu Kitadate, Benjamin D. Simons, Shosei Yoshida et al, Competition for mitogens regulates spermatogenic stem cell homeostasis in an open niche, Cell Stem Cell, 2019 Jan 3;24(1):79-92.e6. doi: 10.1016/j.stem.2018.11.013. , 2018 Dec 20.

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