風しんの抗体検査と予防接種のクーポン券を配布中

昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性の方、そして周囲におられる方にぜひ知っていただきたいことがあります。

日本政府は今年から3年間、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性が無料で抗体検査とMRワクチンを受けられるようにすることを決定しています。

これがどれだけ大切かということを先の子宝カウンセラーの会で国立感染症研究所 感染症疫学センターの多屋馨子先生にご講演いただきました。一人でも多くの方に知ってほしい内容ですので、以下、多屋先生のお話をまとめてご紹介します。

2018年の7月末から急速に風疹患者が増えはじめ、2019年は12週で患者数が1000人を突破し、既に2000人を超え、現在も流行がまだ止まっていません。世界的にも日本は中国に次いで二番目に風疹の患者が多く、米国CDCは2018年10月に風疹の免疫がない妊婦は日本に行かない方がいいというアラートレベルを出しています。

患者の年齢分布をみると40代前半の男性が風疹の流行の中心で、多くが職場で感染しています。

どうしてこのようなことがおこっているのかというと昭和54年4月1日より前に生まれた男の子は、学校で風疹ワクチンの接種を受ける機会がなかったため、抗体を持っていない人が非常に多いからです。

昭和54年4月2日からは男の子もワクチンを受けられようになりましたが、学校での集団接種ではなく病院に行かなければならなかったため、女の子の接種率も激減してしまいました。

昭和62年10月2日から平成2年4月1日生まれの人は1歳から7歳半までの時に一回だけ風疹ワクチンを受けている世代です。1回だけなので5%くらい免疫がついておらず、接種率も8割くらいだったのであまり高くないです。

ですので、この世代で免疫を持っていない人が多いです。

風疹ですごく大事なことは、妊婦さんが風疹に感染すると赤ちゃんに影響が出るということです。

妊娠一カ月で風疹ウイルスに感染すると50%以上、妊娠二カ月だと35%、三カ月だと18%、四カ月だと8%という研究結果があります。妊娠一カ月は女性も妊娠に気づいていない時期で、4カ月でもまだおなかは大きくないので回りが気付いていません。

2012年から13年にかけて大きな風疹の流行があった時には45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されました。20週までに感染した時に赤ちゃんに影響が出るので妊娠を40週とすると流行のピークの半年後に先天性風疹症候群の診断の赤ちゃんが増えてしまいます。2018年からの流行の影響で、今年初めから今、3人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されています。

風疹の流行を少しでもくい止めるために、日本政府は今年から3年間、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性が無料で抗体検査とMRワクチンを受けられるように決定しましたので、ぜひ、この機会を逃さずに抗体検査を受けて、必要ならワクチンを接種してください。

今年は47年4月2日から54年4月1日に生まれた男性にお住まいの市区町村からクーポン券が届きます。それ以外の方は来年度以降の送付になりますが、早めに受けたい方は市区町村に言えばクーポン券を入手できます。全国どこでも受診でき、麻しん風疹混合ワクチンを使うのではしかの予防にもなります。

実は、弊社社員にも一人クーポンが届き、多屋先生の話を聞く前に抗体検査を受けに行ったということでした。営業として子宝相談にも携わり、妊婦さんや将来のお母さん方と接する機会が多いので、適切な行動であると感心しました。

国は東京オリンピックまで抗体保有率をせめて85%まで引き上げ、制度が終わる三年後までに9割に上げるという目標を立てています。しかし、今年クーポンが送付された約640万人のうち、5月までの結果ですが、抗体検査を受けた方は1.9%、予防接種を受けた方は0.25%でした。これではせっかく制度があっても風疹をなくすことはできません。

「私は風疹にかかったことがあるから大丈夫」と思われている方も多いですが、風疹と似た病気がたくさんあります。2018年からは風疹の診断にはウイルスの遺伝子検査をするので診断はほぼ確実ですが、それ以前は風疹と診断されても半分が風疹ではなかったという研究結果があります。また、予防接種歴を「記憶」ではなく「記録」で確認できた人はごくわずかということもわかってきています。ですから、この機会に一度抗体検査を受けて確認してほしいです。

多くの自治体が妊娠を希望する女性にも費用を助成していますので、少なくとも対象の方は予防してください。

風疹と先天性風疹症候群はワクチンで予防できます。

ご自身が風疹にかかってつらい思いをするのはもとより、妊婦さんに風疹ウイルスを感染させることをどうか忘れないでください。

<参照>
■多屋馨子、『今話題の感染症 ~麻しん・風しんを中心に~』、第4回統合医療生殖学会(第49回子宝カウンセラーの会)、2019年9月8日
■厚生労働省、『風しんの追加的対策について』

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