薬としての効能を科学的に証明することを放棄した清涼飲料業界

今でこそ糖分の取りすぎになるから避けた方がいいと言われる清涼飲料は、もともとは薬としてのイメージが強いものでした。

19世紀、米国では産業社会の到来で健康食品への注目が高まりました。というのは、それまでは職住が一体化していたので自分のペースで仕事や食事ができましたが、決まった時間に決まった場所で働くことになり、食事にかけられる手間や時間が圧迫されるようになりました。手早く手軽に食事を取りたい、体の調子を整えたり病気を予防する効果があるならなおよいという風潮がありました。

1806年、イェール大学の科学者によって炭酸飲料が開発され、当初は病気の人が安全に水分を補給するために使われました。それを一般の人にも提供する際に、炭酸水の製造と味付けは技術的に難しかったので、薬剤師がドラッグストアでフレーバー付きの炭酸水を製造、販売していました。

ですから、嗜好品というよりも「飲む薬」としての性格が強く、例えばドクターペッパーのキャッチコピーは「おなかの調子を整える」で、店のオーナーの知り合いのペッパー医師から名前を取っています。ジョージア州アトランタの薬剤師、ジョン・ペンバートンさんは自分のヘロイン中毒を治すためにコカインを混ぜたワインを作っており、それをもとに作られたのが「神経衰弱、頭痛、二日酔いに効能がある」コカコーラです。産業社会ではデスクワークで体を動かさないために消化不良を訴える人が増えていました。ペプシの名前はペプシンという胃の酵素に由来し、消化不良(ディスペプシア)を助けるというイメージが会社名になっています。

このようにもともと清涼飲料は薬としてのイメージでしたが、薬としての効能を科学的に証明することは大変です。そこで業界は清涼飲料を「薬」としてではなく、「飲むと気分爽快になるもの」として売り出しました。売り上げは大きく伸び、子どもも毎日何本も飲むまでに浸透しましたが、清涼飲料には糖分が多く含まれるため様々な症状を引き起こしています。そもそもは健康増進のために開発された経緯があるのに、効率や収益を優先したために真逆の存在になってしまったというのは皮肉なことです。

この転換点は「薬としての効能を科学的に証明することは大変である」ことにあると思います。

私が開発したタンポポT-1エキスシベリア産松瘤エキスは健康食品として販売していますが、多数の病院でも使用されています。なぜなら、効能を科学的に証明するために研究を継続し、学会や国際誌で発表し続けているからです。安全検査結果も公表しています。確かに大変です。しかし、漢方は長年の経験に裏付けられているとはいえ、データとしての裏付けはまだ充分ではなく、東洋医学と西洋医学の両方を知る私こそ取り組まなければいけない課題の一つであると自負しています。

弊社商品はすべて医薬品レベルで製造され、みなさまのお手元に届くまでに利益や効率を考えれば割に合わない手間をかけていますが、みなさんの口に入るものですから必要なことであると肝に銘じ、愚直に取り組んでいます。

タンポポT-1エキスシベリア産松瘤エキスはじめ、弊社の商品はどれも健康を守るために有望なものばかりです。これからも大切に育てていきたいと思っています。

<参照>
■鈴木透、『食の実験場アメリカ-ファーストフード帝国のゆくえ』、中公新書

■Photo by rawpixel.com from Pexels

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