『健康プラス』37号発売 特集:不妊

健康プラス 2019 Vol.37』が発売になりました。今号の特集は「不妊」で、私は「不妊症と不眠の関係」と題して記事を書きました。

カウンセリングでよく患者さんから言われるのは「充分に眠れない」ということです。睡眠は時間も大事ですが、夢が多いとか夜中に何度も目が覚めるという質の低い睡眠はよくありません。

西洋医学的には、不眠の原因の一つはホルモンのアンバランスと考えます。その典型例は更年期障害です。更年期障害は卵巣機能の低下で女性ホルモンが不足しているので補充する方法があります。これで不眠が改善される方もたくさんおられますが、女性ホルモンの補充は副作用を伴います。不妊治療ではホルモン剤を使うのでバランスを崩しやすくなり、イライラやのぼせ、不眠といった更年期障害様の症状が出ます。

「眠れないのはストレスがあるから」と安定剤が使われるなど、不眠は脳から考えることが多いですが、東洋医学では「不眠は腎の陰や血が足りない」と考え、血を増やして体を眠れる状態に持って行くアプローチをとります。

補血に最適なのはビタミン、葉酸、鉄分を豊富に含むナツメです。ナツメには補血と健脾の働きがあります。健脾、すなわち脾胃がよくなれば消化がよくなり、食べ物の力を充分に体に取り込み、気血を増やすことができます。

ナツメに関連してお勧めしたいのが阿膠(あきょう)食品です。これは中国、四川省の不妊治療の名医と言われる湯先生から直々に教えていただいた処方で、ナツメと朝鮮人参、阿膠というシンプルながらバランスの良い組み合わせです。

朝鮮人参は気を補い、消化を助けます。阿膠はロバの皮のコラーゲンのことで、薬膳では補血作用が強い食材として使われます。消化しやすいのもよいです。ナツメはたくさん食べると胃がむかつくので多くは摂取しにくいのが難点ですが、阿膠食品は効果を上げるために葉酸がたくさん含まれる旬のナツメを使って有効成分を濃縮しています。

一口に血を増やすといっても、「貧血なら鉄剤を飲めばよい」という単純な話では決してありません。女性は生理がありますので一筋縄ではいきませんが、東洋医学は養生という形で血を増やす方法を長い時間をかけて模索してきました。記事では血を増やす漢方も紹介しています。ぜひご一読いただき、患者さんへの治療に活用していただきたいと思います。

<参照>
■邵輝、「不妊症と不眠の関係」、健康プラス 2019 Vol.37

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