【BOOK】『大人の授かりBOOK』

メディアでも積極的に発言されているのでご存じの方も多いと思いますが、女優の加藤貴子さんが治療に踏み込んだ妊活を始めたのは42歳で、流産や不育症の後、44歳で第一子を、46歳で第二子を出産されています。

妊活は心の負担が大きく、それに対応することが鍵になります。加藤さんも当初は「できること、間に合うことはすべてやる!」と気負っておられました。

気持ちの共有ができていないうちは夫婦間に深い溝ができますが、加藤さんも「タイムリミットがあって、1カ月に1回しかチャンスがないのに、仕事が忙しいだの疲れてるだの、何言ってるの!? 子供ができなかったら一生責める! 一生恨む!」とすごい責め方をしています。夫のノビさんのコラムも掲載されていますが、そのひとつめのタイトル、「なぜ妻のサンドバッグでいられたのか」が溝の深さを物語っています。

努力が必ずしも妊娠につながるわけではなく、「リラックスが大事」だと思えば思うほど、ネガティブな気持ちがあることがプレッシャーになります。

しかし、加藤さんはネガティブな感情を抑えすぎることが妊活の大きな障害になると気づき、「こんなことを感じてはいけない」という枷をはずして感情をそのまま感じるところから気持ちが変わっていったと言います。

大人の授かりBOOK – 焦りをひと呼吸に変える、がんばりすぎないコツ –』からはいろいろなものを抱えてはいるけれども、目指す方向に進んでいこうとする意志を感じました。妊活がテーマですが、妊活に限らず「がんばらないといけない」「楽しくないといけない」と思いすぎて苦しくなっている方にも響くものがあると思います。感情を受け入れて手放すことで「授かる」ものがあります。加藤さんは赤ちゃんを授かりましたが、人それぞれ授かるものが違う、そのような幅の広い読み方ができる一冊だと思います。

<参照>
■加藤貴子、『大人の授かりBOOK – 焦りをひと呼吸に変える、がんばりすぎないコツ –』、ワニブックス

■ Illustrated by nanaign

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