楽観的思考と涙活が健康長寿を促す

Illustrated by パニーニわたせ

米ボストン大学医学部のルウィナ・リー准教授らの研究グループは、看護師7万人と退役軍人1500人の健康調査から、楽観的な人は85歳以上まで長生きする確率が高いと発表しました。

なぜ楽観的な人は長生きしやすいのかはあまりわかっていませんが、リー准教授は「楽観思考の持ち主は感情のコントロールが上手で、ストレスの悪影響を受けにくいからかもしれない。研究結果からは、楽観度を上げることで長生きと健康な老いを促進できるかもしれないことがわかる」と言います。

日本では最近、ストレス解消の手段として「涙活」が人気で、「絶対に泣ける」「号泣必至」「涙腺崩壊」、このようなコピーで本や映画が紹介されることが多いです。なみだ先生こと吉田英史さんの涙活セミナーにはこれまで約5万人が参加されたそうです。これほど多くの方が「泣きたい」と思っているのは、泣くと気分がよくなるということを意識する、しないにかかわらず実感されているからだと思います。

吉田さんの言葉でなるほどと思ったのは「どんな涙でもいいわけではなく、感動の涙が一番望ましい」ということです。「泣く」というと、悔しい、つらい、痛い、なさけないといったネガティブな印象で、それらは子どもの頃から「泣いてはいけない」と我慢を強いられてきました。

しかし、人は感動した時にも涙を流します。そして前向きな気持ちになれます。涙活のキモは涙を流すことでリセットし、新しくエネルギーを充電することにある、そう考えれば、楽観的な人と同様、涙活も健康長寿につながる「前向きな精神要因」につながるのかもしれません。

<資料>
あなたは楽観的?だったら長生きしやすい=米研究、BBCNEWS、2019年8月27日
日本社会は泣きづらい?心と身体を癒す「涙活」、BBCNEWS、2020年10月2日

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