育毛剤と不妊症


Illustrated by casa4

育毛剤は男性不妊の一因となるので、不妊治療をされている方は使用について主治医と相談することをおすすめします。

サンプラスキ医師の研究グループによると、4400名のうち0.6%にあたる27名がフィナステリドを使用しており、フィナステリド中断後、精子数は平均11.6倍、増加しました。また、重症精子減少症男性(500万/ml未満)の57%がフィナステリド中断後、1500万/ml以上に増加しました。これを受けて「(フィナステリドは)低用量であっても精子数を減少させる可能性がある。乏精子症の不妊男性は使用を中止すべきであり、子どもを望む男性には注意が促されるべきである」と報告しています。

また、現時点でエビデンスは少なく、関連を確定するには不十分であるものの、フィナステリドは自殺念慮にも関係している可能性があります。

Health Canadaは1992年~2015年1月31日にフィナステリドの使用との関連が疑われるカナダでの自殺傾向の症例報告を12例受けています。また、低用量、高用量にかかわらずフィナステリドの使用に関連する自殺傾向の症例や、フィナステリドの使用を中止して数カ月後も性機能不全や自殺傾向などの有害事象が持続したことも報告されています。

<参照>
■Mary K Samplaski, Finasteride use in the male infertility population: effects on semen and hormone parameters, 2013 Dec;100(6):1542-6. doi: 10.1016/j.fertnstert.2013.07.2000. Epub 2013 Sep 4.
■国立医薬品食品衛生研究所、Finasteride:自殺傾向との関連、2015/12/17

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