2020年の出生数が過去最少の見通し


Illustrated by ももはな

公表が見送られた2020年の人口動態統計の年間推計ですが、出生数は依然として減少傾向で、過去最少だった昨年の86万5239人を下回る見通しとなっています。もともとの少子化の流れに加えて12月頃から新型コロナウイルス感染拡大に伴う産み控えの影響が出てくるとみられるため、出生数の伸びはさらに抑制されるとの見方が報じられています。

ただ、臨床に携わる私の実感としては、妊活のための体づくりをされる方はむしろ増えており、東洋医学や代替医療への関心が高まっています。政府が不妊治療への経済的支援を拡大させる方針を固めたことも影響していると思います。

西洋医学ではカバーしきれない体づくりにおいて、東洋医学の立場から患者さんの夢を実現するお手伝いをすることは充分可能ですが、妊活に取りくむ患者さんたちは熱心に情報収集をしてエビデンスを重視されます。ですから、従来のように東洋医学の理論だけで説得しようとするのではなく、東洋医学の世界観をよりわかりやすい形で伝えたり、データを提示することがますます重要になってきていると感じます。

養生はともすると「高齢者のためのもの」というイメージがありますが、決してそうではありません。年齢に関係なく、こころとからだを安定させて病気からご自身を守るための備えです。元気な時、若い時こそじっくりと取り組めることでもあります。患者さんたちが納得して養生に取りくむことができるように、根拠のある提案を行っていくことを第一に考えています。

<参照>
今年の出生数、過去最少だった昨年を下回る見通し…推計公表は見送り、読売新聞、2020年12月21日

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