ベランダ喫煙による受動喫煙の影響


Illustrated by Cranberry

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため緊急事態宣言が出されて自宅で過ごす時間が長くなり、ベランダ喫煙や換気扇の排気口からの受動喫煙に苦慮されている方は悩みの種が増えそうです。

「おおげさに騒ぎすぎる」というのは喫煙者の言い分ですが、産業医科大学の大和浩教授らのグループは、ベランダ喫煙による受動喫煙の影響を調べるために、2階のベランダでタバコを燃焼し、発生するPM2.5を測定しました。その結果、上階のベランダに煙が広がるのはもちろんのこと、同じ階にも広がることがわかりました。ベランダには隣との仕切りが設置してありますが、避難経路でもあるため破って隣に行けるようにすき間があるので、弱い風でも水平方向に煙が広がります。また、部屋の中でも上階と同階の両方から窓から流入したPM2.5が確認されました。

外での活動がままならない状況が長く続き、ストレスで小さなことでも気になりがちです。さらに定期的な換気を求められている今の状況において、喫煙に関しては普段以上に周囲への配慮が求められると思います。

<参照>
■Hiroshi Yamato et al., Secondhand Smoke from a Veranda Spreading to Neighboring Households, J UOEH. 2020;42(4):335-338. doi: 10.7888/juoeh.42.335.