世界で初めて胎盤からマイクロプラスチックが検出される


Illustrated by Chiakids

今やエベレストの頂上から深海まで地球上のあらゆるところがマイクロプラスチックによって汚染されていることは広く知られていますが、2021年1月、北極海の深さ1000メートルから採取したサンプルからマイクロプラスチックが発見され、その大部分が合成繊維として利用されるポリエステルであることを科学者のチームが発表しました。北極圏の雪にも風で運ばれてきたと考えられるマイクロプラスチックが含まれることが確認されています。

同じく、「こんなところにまで」と思うような所からマイクロプラスチックが見つかっていて、イタリアの研究チームが出産後のサンプル提供に同意した女性6人のうち4人の胎盤からマイクロプラスチックを検出したことを発表しました。胎児側から5個、母胎側から4個、羊膜側から3個の計12個が見つかり、今回の研究では胎盤の4%のみが分析の対象であったことから、「胎盤に含まれる総数ははるかに多い」と研究チームは考えています。

健康への影響はまだ不明ですが、母体や胎児への長期的な影響についてはさらなる研究が必要だと考えます。

<参照>
■Antonio Ragusa et al., Plasticenta: First evidence of microplastics in human placenta, Environment International Volume 146, January 2021,
■Damian Carrington, Microplastics revealed in the placentas of unborn babies, The Guardian, 22 Dec 2020
■Peter S. Ross et al., Pervasive distribution of polyester fibres in the Arctic Ocean is driven by Atlantic inputs, nature communications, 12 January 2021