PCOSを持つ女性は産後うつを含む疾患リスクが高まる


Photo by まるう

米国生殖医学会年次総会の受賞論文で、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性は妊娠前の代謝と精神的な症状、妊娠中の心代謝合併症、産後の心代謝と精神合併症のリスクが高まることが発表されました。

2000~2016年の間に42,391人のPCOSを持つ女性と795,480人のPCOSを持たない女性を対象に行われた後ろ向きコホート研究では、PCOSが過小報告されていることを考慮して、PCOSの診断だけでなく、月経の不規則性と多毛症も組み合わせて分析されました。

妊娠前、PCOSを持つ女性はPCOS を持たない女性と比較して、肥満率、高脂血症、高血圧、糖尿病、そして生殖補助技術を使用する可能性も高い傾向がありました。妊娠中、PCOSを持つ女性はPCOS を持たない女性と比較して、妊娠糖尿病、子癇前症、早産が高い傾向にありました。産後、PCOSを持つ女性はPCOS を持たない女性と比較して、産後血栓性疾患、高血圧性心疾患、子癇、心不全、子癇前症、骨膜心筋症が高い傾向にありました。うつ病に関しては、PCOSを持つ女性はPCOS を持たない女性と比較して、妊娠前、妊娠中、産後のすべての期間においてうつ病を発症するリスクが高い傾向にありました。

「PCOSを持つ女性はリスクの高いグループとみなされるべきであり、産後は心血管と精神的な症状を検査すべきだ」とペンシルベニア大学ペンPCOSセンター所長のアヌジャ・ドクラス博士は述べています。

<参照>
■Jeff Craven, Women with PCOS have greater risk of postpartum depression, preeclampsia, eclampsia, MDedge, October 20, 2019
■Anuja Dokras et al., HIGHER INCIDENCE OF POSTPARTUM COMPLICATIONS IN WOMEN WITH POLYCYSTIC OVARY SYNDROME, 2019 ASRM

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