みそで糖尿病女性患者のサルコペニア予防の可能性


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2型糖尿病患者ではサルコペニア(加齢性筋肉減少症)の有病率が高いです。インスリン抵抗性はサルコペニアの一因と考えられており、毎日、魚料理や味噌汁を食べる人はインスリン抵抗性が低いことが、京都大学大学院の研究グループにより報告されていますが、京都府立医科大学大学院の研究グループによる「みそをよく食べる患者は、そうでない患者よりもサルコペニアの有病率が低い」という論文が『Nutrients』に掲載されました。

対象は2型糖尿病患者351人(男性192人、女性159人)で、このうちサルコペニアの割合は男性で8.7%、女性で22.6%、みそをよく食べる人の割合は男性で88.0%、女性で83.6%でした。

データを分析したところ、女性では、みそをよく食べる群は、そうでない群よりもサルコペニアの有病率が有意に低くなり、みそ汁の摂取量が多いほどサルコペニア有病率が低くなりました。また、体脂肪率、BMI、HbA1cも有意に低くなりました。しかし、男性ではこれらの関連が見られず、女性でも喫煙者は関連が見られませんでした。

<参照>
■Fuyuko Takahashi et al., Habitual Miso (Fermented Soybean Paste) Consumption Is Associated with a Low Prevalence of Sarcopenia in Patients with Type 2 Diabetes: A Cross-Sectional Study, Nutrients, 2020 Dec 28;13(1):72. doi: 10.3390/nu13010072.

みそ汁をよく飲む糖尿病女性は筋肉が減りにくい?、毎日新聞、2021年2月16日