【BOOK】『おしり読本』


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年齢に関わらず、痔などおしりのトラブルを抱えている女性は少なくありませんが、デリケートすぎて身近な人にも相談できず、どうしようもなくなるまで放っておかれることがままあります。しかし、妊娠・出産を考えておられるのであれば、おしりのトラブルは避けては通れない問題です。なぜなら、妊娠・出産によっておしりのトラブルを発症したり、症状が悪化する傾向があるからです。

月経前に女性が便秘になりやすいのは黄体ホルモンが腸のぜん動運動を抑えてしまうことも一因ですが、黄体ホルモンは妊娠初期にもたくさん分泌され、便秘になるリスクが高まります。おなかが大きくなってくると直腸や肛門を圧迫し、おしりに血液がうっ血しやすくなり、体を動かすのもおっくうになります。出産の時は強くいきみますから痔が悪化しやすくなります。ですから、もともとおしりのトラブルがある方は、妊活中に治しておくことをおすすめします。

女性のためのおしり読本』を読めば、症状の説明や市販薬を含むセルフケアの方法、病院へ行くタイミング、病院での一般的な治療内容、再発予防方法、病院選びのアドバイスなど、おしりのトラブルに関する全体像が把握できます。もちろん、これまでにもそういった本はありましたが、本書は語り口がやわらかで、装丁やブックデザインがポップなので、女性でも抵抗感なく手に取ることができるのがよいと思います。

おしりのトラブルは多くの場合、慢性病であり、生活習慣を改善することで悪化しないようにコントロールする必要があります。その第一歩として「知る」ことが大切だと思います。

<参照>
■岩垂純一、『女性のためのおしり読本』、時事通信社