京都国立博物館で「特別展 鑑真和上と戒律のあゆみ」が開催


Photo by かいくう

2021年3月27日から5月16日まで、京都国立博物館で「特別展 鑑真和上と戒律のあゆみ」が開催されます。国宝「鑑真和上坐像」が寺外では12年ぶりに特別出展されるほか、数々の国宝や重要文化財の展示、唐招提寺八十八世長老の西山明彦師による記念講演会も予定されています。

日本に初めて戒律を伝えたことで有名な鑑真和上ですが、当時の医学の発展に大きく貢献し、日本における医薬の始祖とも言われます。医薬にも深い知識があった鑑真和上は光明皇后の病気を治し、臭覚、味覚、触覚で薬を鑑定して過去における間違いを直し、薬の保存や使用法を伝えたと言われます。また、持参されたたくさんの薬材と香料の一部は、今もなお東大寺正倉院に収蔵されています。

また、唐招提寺に関連して、2021年4月24日から6月6日まで、神戸市立博物館で「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」が開催されます。唐招提寺の御影堂が一般に公開されるのは6月6日の開山忌を含む3日間だけですが、現在、御影堂は修理事業中のためしばらく公開の機会はありません。

どちらの展覧会も鑑真和上の足跡をたどる貴重な機会になると思います。コロナウイルス感染予防・拡大防止に留意する時期ではありますが、これを機にひとりでも多くの方に鑑真和上のお心が伝わることを望みます。

<参照>
■京都国立博物館、凝然国師没後700年 特別展 鑑真和上と戒律のあゆみ
■神戸市立博物館、東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展