妊娠中期以降の葉酸摂取は児の認知能力を高める


Illustrated by 麦

妊活中から妊娠初期は細胞の生産や再生を助ける葉酸を充分に摂取することが大事だということはよく知られていますが、それ以降も葉酸を摂取し続けることが、生まれてくる子どもの認知能力や脳機能によい影響を及ぼすということがアルスター大学の研究グループによって報告されました。

妊娠4カ月以降も葉酸400μg/日を摂取していた母親グループとプラセボを摂取していた母親グループにおいて、母親119名のうち68名の子どもが11歳の時に認知能力や非侵襲的脳機能検査による言語変化への反応評価を受けました。

プラセボグループに対して葉酸を摂取し続けた母親の子どもたちは情報処理速度で有意に高い結果となりました。また、非侵襲的脳機能検査において、葉酸摂取グループの児はプラセボグループの児よりも言語処理が得意であることが示唆されました。

研究グループは妊娠初期以降も葉酸サプリを摂取し続けることは神経認知の発達によい効果をもたらす可能性があると結論付けています。

ある時期を過ぎたらもう必要ないという栄養素はありません。やはり基本は微量元素やミネラルなど栄養素をバランスよく充分に摂取できる食環境をととのえることだと思います。

<参照>
■Aoife Caffrey et al., Effects of maternal folic acid supplementation during the second and third trimesters of pregnancy on neurocognitive development in the child: an 11-year follow-up from a randomised controlled trial, BMC Med, 2021 Mar, 10;19(1):73. doi: 10.1186/s12916-021-01914-9.

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