妊娠中の大豆摂取量が子どもの行動に影響


Illustrated by あっぽ

妊娠中の大豆摂取量が多いほど、子どもの多動性障害や交友関係のトラブルを防ぐ可能性があると愛媛大学の三宅吉博教授らの研究グループが発表しました。

1199組の母子を対象に、妊娠中の母親による大豆製品とイソフラボンの摂取と5歳時点の子どもたちの行動上の問題との関連を調査したところ、妊娠中の母親の総大豆量とイソフラボン量の摂取が多いほど多動性や友だち間での問題がみられないことがわかりました。このことから研究グループは「妊娠中の大豆摂取が、子どもの友だち間のトラブルを防ぐ可能性がある」と述べます。

ただ、ここで注意が必要なのは、2006年に内閣府の食品安全委員会がイソフラボンの有用性は認めつつも、摂取の上限を定め、特に「妊婦や子供はこれをサプリメントの状態で摂ってはいけない」と過度な摂取に注意を呼びかけていることです。

具体的には食品安全委員会の「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」をご参照いただきたいのですが、サプリメントでは摂りすぎになるので、イソフラボンを摂取するのは豆腐や納豆などの食品からに限るということです。バランスの良い食事が健康の土台であることを改めて思います。

<参照>
■Yoshihiro Miyake et al., Maternal consumption of soy and isoflavones during pregnancy and risk of childhood behavioural problems: the Kyushu Okinawa Maternal and Child Health Study, Int J Food Sci Nutr, 2021 Apr 1;1-10. doi: 10.1080/09637486.2021.1904844.
■食品安全委員会、大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
■田中修、『ありがたい植物 日本人の健康を支える野菜・果物・マメの不思議な力』、幻冬舎