夏の横綱 スイカ


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夏と言えばスイカ、ということで、7/27がスイカの日とされているのも納得です。スイカの縞模様を綱に見立てて、「夏の綱(横綱)」を「な(七)つのつ(二)な(七)」という語呂合わせになっています。ところが、意外にも「西瓜(スイカ)」は夏ではなく、秋の季語です。立秋(8月7日頃)を過ぎたお盆の頃に最も甘くなるからということですが、スイカはペルシャ語で「ヘンダワネ」と言いますが、ちょっと今の感覚とはあわないように感じます。

近年は四角や三角、ハート形のスイカやフルーツカービングに使われるなど観賞用としても使われますが、「水瓜」「ウォーター・メロン」という名前のとおり、スイカの一番の特徴はその水分の多さで、実に果肉部の約90%が水分です。

原産地のアフリカのカラハリ砂漠では「果肉をつぶして、その果汁を水のように飲む果物」といわれるように、昔は水筒として使われるだけでなく、生活の貴重な水源でもありました。のどの渇きを癒すので、今も灼熱のゴビ砂漠で恐竜の化石の発掘作業を行う時は、水分補給のために大量のスイカを持っていきます。

抗酸化物質のリコペンやカロテン、シトルリンなど栄養も豊富に含まれます。シトルリンは利尿を促し、疲労を回復する効果が強いので、健康食品にも使われます。「健康に良いリコペンやカロテンの量は10日間、4℃で冷やしておくより、21℃で保存しておく方が増加する」という研究結果が報告されており、これらを効果的に摂るには、スイカは冷蔵庫ではなく、風通しの良い冷暗所で常温保存がよいようです。

<参照>
■田中修、『ありがたい植物 日本人の健康を支える野菜・果物・マメの不思議な力』、 幻冬舎