ビールが認知症を予防する?!


Photo by pablo capra

連日、暑い日が続きます。この時期、一日の終わりに味わうビールには格別のおいしさがありますが、2017年に東京大学、学習院大学、キリン株式会社が共同で「ビールの苦味成分が脳内の清掃細胞を活性化し、アルツハイマー病を予防」という論文を発表し、話題となりました。

ビールの原料のホップにはアルファ酸という物質が含まれており、ビールを作る過程で、ビールの苦みになるイソアルファ酸に変わります。研究グループは、アルツハイマー病を確実に発症するマウスでイソアルファ酸を与えるグループと与えないグループを作り比較したところ、与えないマウスの脳には、与えたグループのマウスより多くのアミロイドβが蓄積しました。

認知症全体の40~60%を占めるとされるアルツハイマー病は、脳にアミロイドβが蓄積することが原因とされていることから、「ビールの苦味成分がアルツハイマー病の予防に有効である」と結論付けています。

研究グループは、イソアルファ酸が脳の免疫を担当するミクログリアの働きを活性化し、脳内炎症を抑制してアミロイドβの蓄積を減少させたことが認知機能の低下を予防したとしています。

ホップに有用な物質が含まれることは朗報ですが、ビールを片手に気のおけない仲間と楽しく過ごすことも認知機能にプラスに働いているのではないでしょうか。コロナ下では以前のように過ごすこともままならないのが残念です。とはいえ、アルコールですので、飲みすぎには十分、注意してください!

<参照>
■中山裕之 他、良薬は口に苦し!?ビールの苦味成分が脳内の清掃細胞を活性化し、アルツハイマー病を予防、東京大学大学院農学生命科学研究科 プレスリリース、2017/03/01