ススキ


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西日本のススキの名所として、最初に名前が挙がるのは、映画『ノルウェイの森』やNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』などのロケ地としても有名な、兵庫県神河町の砥峰(とのみね)高原ではないでしょうか。

ススキは、昔は牛のエサや茅葺き屋根にしたり、穂をくくってミミズクのおもちゃにしたり、と日常生活でおおいに活用されていました。江戸時代にはススキを刈るための「茅場」が作られ、数十年前はありふれた存在でしたが、最近は目にすることも少なくなったのはさみしいことです。

ススキは生薬としても使われます。

以前、某有名漢方製剤メーカーと共同研究をしたときに、ススキに抗アレルギー作用があることがわかり、花粉症の薬として検討したことがあります。
このときは原材料の調達が見込めず実現しませんでしたが、中国では生薬として風邪や咳止めにも使われます。
生薬としてのススキの活用法をYouTubeでお話していますので、ご参照いただければ幸いです。

ススキにはもうひとつ、楽しみがあります。
葉陰にかわいらしい花を見つけることができるかもしれません。「思い草」と呼ばれるこの花は、ススキの根から栄養をもらって生きています。ススキを見つけたら、ぜひ思い草も探してみてください。

<参照>
■稲垣栄洋、『子どもと楽しむ草花のひみつ』、エクスナレッジ

■邵輝、YouTube『漢方薬としてのススキ』