美しさの象徴 椿


Photo by 豆助屋

「木偏に春」と書く椿は、春の訪れを告げる花のひとつです。

椿の活用方法でよく知られているのは椿油で、特に髪と肌の美容に使われてきました。

日本初の民間洋風調剤薬局として創業した資生堂は、明治に洋風の髪油「香油花つばき」を販売し、大人気を博しました。

保湿性が高い椿油を髪に含ませることで、潤いとつやのある美しい髪を保つことができます。地肌に椿油を塗り込んでから洗髪すると、ふけやかゆみ、べたつきを防ぐことができます。

また、椿油には皮脂の約40%を占めるオレイン酸が多く含まれるので肌になじみやすく、潤いを保ちます。
殺菌作用、細胞増殖作用、皮脂分泌調整作用があり、アトピー肌、ニキビ肌、敏感肌など肌のトラブルに悩む方にも使われています。

19世紀中頃にヨーロッパで「日本のバラ」と呼ばれて珍重された椿は、「贅沢、おしゃれ、 至上の愛らしさ」の花言葉に違わない華やかさにみちています。

日本を代表するコスメブランド、資生堂のシンボルマークに用いられるのも納得です。

<参照>
■有岡利幸、『つばき油の文化史―暮らしに溶け込む椿の姿』、雄山閣

資生堂HP