体をまもるヨモギ


Photo by ダッチ129

穀雨に入り、立夏が迫ってきました。

『黄帝内経素問』には、春に陽気を十分に補充できないと夏の暑さに体が負けてしまうとして、春の養生の大切さを説いています。

この時期、中国ではヨモギ餅がよく食べられ、点心でも季節メニューとして登場します。
刻んだヨモギの葉を練り込んだ餅に芙蓉と呼ばれるハスの実の餡を入れます。
ヨモギはやわらかい若い芽を摘むとおいしいです。
ハスの実には利水の働きがあり、体の余分な水分を排出します。

中国では昔、五月のことを「午月」と呼びましたが、「悪月」と発音が似ているので、邪気から身を守るための習慣が多くありました。
今でもショウブと一緒にヨモギが飾られるのを見ることがありますが、これは、邪気を払うためです。

年間を通してお灸にヨモギは使われますが、この時期は特によく使われます。

薬枕としてヨモギを枕に入れたり、皮膚病予防に煮出したヨモギをお風呂に入れてヨモギ風呂にします。
肌を清潔に保ち、湿疹を予防するとされます。

キク科のヨモギには抗ウイルスの働きがあります。
温灸で大椎をあたためると、病気への抵抗力が強くなります。