梅毒は定期的な検査と早めの治療を


Illustrated by まぽ

梅毒患者数の急増が大きく報じられています。

2010年から増加が著しく、2022年上半期は、1999年以降で最多を記録した昨年の1.6倍のペースで患者数が増加しています。

ふだん子宝相談にも携わる身として、梅毒患者を年齢別で見ると20~40代が多いことは大変気がかりです。
なぜなら、子どもを産む世代と重なり、梅毒は母子感染するからです。

これは女性が特に気をつければよいということではありません。
パートナーも感染に気をつけることは当然ですが、妊活を意識されるなら、まずはお二人とも検査をされることをおすすめします。

欧米では、新しいパートナーとつきあう前にカップルで検査をすることは普通のことです。
性感染症の検査を定期的に受けることで、陽性になったとしても、それまでが陰性なら、いつくらいの時期に何に感染したのかがわかり、早く治療にかかることができます。

性感染症にはとかく偏見がつきまといますが、梅毒は感染力が大変強いので、性行為だけでなく、キスや傷口から細菌が入って感染する可能性もあります。
また、梅毒は潜伏期間中も人に感染させることがあり、治療後も何度も感染する可能性があります。

全国的に患者数が急増している近年、普通に生活をしていたら誰でもかかる可能性があると考える方が妥当です。

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌の感染が原因なので、抗菌薬などの薬物治療で完治が可能です。

知識があれば、自分も他人も守ることができます。

知識は大切な薬です。

<参照>
「梅毒」最悪ペース、半年で5600人…専門家「SNS通じ不特定多数と性交渉など目立つ」、読売新聞、2022年7月13日

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