J&J ベビーパウダーを販売終了


Illustrated by acworks

日本でもおなじみのジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーの販売が来年、全世界で終了することが発表されました。

同製品は2013年から米国で発がん性をめぐる訴訟が相次いでおり、今や訴訟数は数万件に上ります。
2017年にはロサンゼルス州で4.17億ドル(約470億円)、2018年にはミズーリ州で46.9億ドル(約5200億円)の賠償金の評決が出ています。

2019年には米食品医薬品局(FDA)の検査でベビーパウダーから微量のアスベストが検出されたことを受け、J&Jは33000本のベビーパウダーを自主回収しました。
同製品に含まれるタルクそのものの健康に対する影響にも議論があり、特に女性に対する健康上の懸念が提起されてからは使用が控えられる傾向にあります。

同社は安全性について「数十年にわたる独自の研究ですでに示されている」という従来の主張を繰り返していますが、米国とカナダでは2020年5月に同製品の販売が停止されています。

後継商品はコーンスターチを原料とするベビーパウダーに一本化され、すでに世界各国で販売されているとのことですが、日本では今も従来製品の販売が続いています。

<参照>
■Peter Hoskins, Johnson & Johnson to replace talc-based powder with cornstarch, BBC News, 8/13/2022