世界各地で行われる動物のはり治療


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獣医師のリー・ウェンさんは動物のまひ、四肢の衰弱、てんかん、痛み、尿閉などに、はり治療を行い、注目を集めています。

中国では何世紀もの間、動物へのはり治療が行われてきました。
獣医鍼灸本にはラットやウサギの経穴図が掲載され、動物の経穴人形もありますが、近年になってペットのはり治療がブームの兆しを見せている背景には、教育や生活水準が向上し、所得が増えたことがあるとみられます。

リーさんは「中国の伝統的な医学は従来の西洋医学に取って代わるものではない」「どちらにも強みがあり、相互補完関係にある」と説明しますが、大腿頭骨が壊死したトイプードルや腰の神経圧迫に苦しんでいたラブラドールの歩行が改善した例もあります。

ペットは大切な家族の一員であり、ペットの苦しみをやわらげるのにはり治療が有用であるというのは飼い主さんにとっても朗報です。

実は、動物に対するはり治療は中国だけでなく、世界各地で行われています。

例えば、米国のニューイングランド水族館ではウミガメが関節の感染症で、イスラエルではトラが抗生物質で長年治らなかった耳の慢性感染症で、米国コネチカット州ではウマの蹄の治療にはり治療が行われており、他にもフクロウ、ハクチョウ、キリンなど動物の種類も多様です。

<参照>
■Ludovic EHRET、北京のペット愛好家に広まる動物向けのはり治療、AFP BBNews、2022年8月16日