妊婦の葉酸不足が川崎病の一因か


Illustrated by siesta

妊娠前から強く摂取を推奨されている葉酸ですが、不足すると乳児期の川崎病発症の一因となる可能性が示された論文が、第23回川崎賞を受賞しました。
その一部を紹介します。

済生会横浜市東部病院小児科の福田清香先生の研究チームは、エコチル調査の約9万人のデータから川崎病の発症と41項目の曝露因子との因果関係について検討しました。

その結果、川崎病発症に有意な関連が認められたもののひとつに、妊娠中期から後期の葉酸サプリメント摂取不足があることがわかりました。

川崎病の原因はまだわかっていませんが、今回、葉酸が初めて因子として検出されたとのことで、福田先生は「子宮内での葉酸曝露は川崎病発症リスクを低減させるかもしれない」と推測しています。

日常の食事から摂取する葉酸量は川崎病発症群と非発症群で同等であることから、今後、妊娠中の葉酸サプリメント摂取と川崎病発症予防の関連について研究が進められることが期待されます。

妊娠における葉酸の重要性はよく知られるようになってきましたが、人工と天然では体内での吸収方法が異なりますので、葉酸サプリメントは天然の葉酸を含むものを選ぶことが大切です。

葉酸摂取には気血を整えるナツメがよく、特に妊活中の方、妊婦さんにはおすすめします。

<参照>
■大江円、妊婦の葉酸摂取不足が乳児の川崎病に関連 甲状腺疾患合併、同胞の存在も、Medical Tribune、2022年10月13日