共感性を担保するもの


Illustrated by イソ

疲れている時は、他人への接し方がぞんざいになるということは、どなたも身に覚えのあることだと思います。

エルサレム・ヘブライ大学のショーハム・ホシェンヒレル准教授の研究チームは、昼間の勤務と比較して、夜勤中の医師は鎮痛薬を処方する可能性が低く、世界保健機関の推奨よりも少ない鎮痛薬を処方したことを報告しています。

研究チームは、非鎮痛薬の処方が夜勤の影響を受けなかったというデータも考慮し、これは疲労や怠惰によるものではなく、共感の変化によって引き起こされたと示唆しています。

負担のかかる夜勤において、患者さんに共感するとさらなる負担がのしかかります。
医療従事者と患者さんの双方の利益のために、研究チームは、より構造化された疼痛管理ガイドラインの開発を提案しています。

子宝カウンセラーの先生方は、患者さんの立場を理解し、そこからサポートをしていくので、共感性がとても大切です。

ただ、研究が指摘しているように、共感は無尽蔵に発揮できるわけではありません。

人気のある先生は朝から晩まで予約でいっぱいということがありますが、短期的にはともかく、長期的には有限な共感を使い尽くしてしまうことにもなりかねません。

患者さんのためにも、カウンセラー自身が十分にリフレッシュし、心身共に健康であることが大切です。

<参照>
■Shoham Choshen-Hillel et al., Physicians prescribe fewer analgesics during night shifts than day shifts, June 27, 2022, 119 (27) e2200047119