ナズナでむくみ予防


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この時期、中国でよく食べられる食材にナズナがあります。
花が咲く前の若葉が炒め物、スープ、餃子、ワンタンなどに使われ、つぼみや花も食べられます。

七草粥でおなじみのナズナは葉が放射状に広がり、見た目はタンポポに似ています。タンパク質、カルシウム、鉄分が豊富に含まれます。

原産はヨーロッパですが、約2600年前には日本でも生育していたことがわかっています。呼び名も各地で方言があり、寒い時期の貴重な野菜として重宝されてきたことがうかがえます。

東洋医学では、ナズナには涼血止血、平肝明目、清熱利湿の効能があるとされます。
春先の養生は解毒が大切なので、タンポポやナズナのような利水の食材をとることをおすすめします。

日本でも止血、消炎、鎮痛、目の不快などに民間薬として用いられてきた歴史があります。『和漢三才図会』にはナズナの葉は肝の働きをよくし、脾胃を和やかにすると書かれています。

春の植物というイメージが強いナズナですが、地面の中にたくさんの種子が眠っているので、夏や秋にも芽を出してきます。
日本では、お正月以外にはめったに食べられなくなりましたが、おいしいものでもあるので、旬の味覚として復活してほしいものです。

<参照>
■有岡利幸、『春の七草 (ものと人間の文化史)