人工甘味料の取り過ぎに注意


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低カロリーであることから砂糖の代替品として広く使用されている人工甘味料ですが、特に不妊治療中の方は常用しない方がよいと思われる報告がありましたので、紹介します。

台北医科大学の研究チームは、840人の妊婦のコホートを作成し、アスパルテームを習慣的に摂取する女性はそうでない女性と比較して妊娠までに長い期間を要し、35歳未満の若い女性において、アスパルテームの習慣的な摂取と不妊症との有意な関連が示されたと報告しています。

デンマークの研究は約59000人の女性の前向きコホート分析において、人工甘味料入りソフトドリンクを毎日飲むと、早産のリスクが高まる可能性があると結論づけています。

フロリダ州立大学の研究チームは、FDAが承認した人間の1日あたり最大摂取量の約15%のアスパルテーム入りの水を摂取したマウスにおいて、非常に強い不安行動が観察され、その影響は2世代後まで受け継がれることを報告しています。
不安行動を示すマウスに不安障害の治療薬であるジアゼパムを投与すると、すべての世代のマウスが不安行動を示さなくなったとのことです。

動物実験の結果がヒトにもあてはまるとは限りませんが、不妊治療中はとかく気持ちが落ち着かないことが多いです。

人工甘味料の生殖機能への影響については、まだ十分に判明していませんから、少なくとも習慣的に摂取しないように気をつける方がよいと思います。

<参照>
■Yang-Ching Chen et al., Aspartame Consumption, Mitochondrial Disorder-Induced Impaired Ovarian Function, and Infertility Risk, Int J Mol Sci. 2022 Oct 22;23(21):12740, PMID: 36361530 PMCID: PMC9656449 DOI: 10.3390/ijms232112740
■Thorhallur I Halldorsson et al., Intake of artificially sweetened soft drinks and risk of preterm delivery: a prospective cohort study in 59,334 Danish pregnant women, Am J Clin Nutr. 2010 Sep;92(3):626-33, PMID: 20592133 DOI: 10.3945/ajcn.2009.28968
■ROBERT THOMAS, FSU research links common sweetener with anxiety, FLORIDA STATE UNIVERSITY NEWS, DECEMBER 8, 2022