春の湿邪に温灸


Photo by watanos

韓国では今、若い女性を中心にお灸が流行しているようです。InstagramやTikTokなどでデトックスや温活系の美容・健康トレンドとして拡大し、「伝統医療とSNS、美容トレンドの掛け算でお灸が現代のウェルネス文化として復活した」と報道されています。

日本でも少し前に若い女性の間で冷え性改善や美容を目的としたお灸がブームになり、「お灸女子」という言葉が広まりました。今でもお灸やツボはSNSの人気コンテンツで、一過性の盛り上がりから、より実用的なセルフケアとして定着した印象があります。

お灸は今の時期、おすすめしたい養生法のひとつです。春は草木が芽吹き、気のめぐりが活発になる季節ですが、「春の長雨」という言葉があるように、しとしとと冷たい雨が降り続く時でもあります。

東洋医学では、湿邪は体に様々な悪影響を及ぼし、おなかの不調や体のだるさ、むくみ、関節痛などを引き起こすと考えます。この場合、養生のポイントは湿を追い出し、気をめぐらせることです。利尿作用のあるタンポポやハトムギを食養生に取り入れたり、お灸で体を温めて湿気を飛ばすとよいです。

お灸をする際、一般的なお灸は現代の人には熱や痛みが強すぎることが多いので、穏やかにあたためる温灸がよいです。ゆっくりと熱が浸透するので体の深部まで温まります。

シンプルですが、一番効果があるのは、おへそへの温灸です。おへそは神闕(しんけつ)という全身の気が集まる重要なツボです。おなか全体が温まると心身が調整され、陽気が生み出されます。むやみにあちこち行うよりも、大切なツボを選んでじっくりと行う方が温灸の良さを実感できると思います。

近年は、お灸の温熱効果はもとより、免疫、抗炎症、神経系への作用の研究も多数報告されており、怪しげな民間療法ではなく、科学的エビデンスに裏付けられた健康の知恵とみなされています。ぜひ、養生の一つとしてご活用ください。

<参照>
■Hwang Chae-young Kim Gwan-rae, Social media drives mugwort moxibustion boom among young women in South Korea, Chosun biz, 2026.03.07

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