薬は美術館のチケット


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薬が嫌いな方でも、こんな処方箋なら大歓迎かもしれません。

2018年、カナダのカナダ・フランス語圏医師会の医師は、モントリオール美術館の入場券を処方できるようになりました。以来、摂食障害、がん患者、不整脈、てんかん、言語障害、感覚障害、メンタルヘルス上の問題がある人、高齢者、アルツハイマー病など、さまざまな患者さんたちが治療の補助として芸術を活用できるようになりました。

この世界初の取り組みは、医療において芸術がさまざまな利点をもたらすことを明らかにした世界保健機関の報告書に基づいており、その後、ベルギーや米国、英国、フランス、スイスなどでも同様のプログラムが実施されています。

美術館を訪れるメリットとして、居心地の良い空間でリラックスする、作品を通して話をする、大切な人と絆を深めるなどがあります。

さらに、スイスのプログラム担当者であるマリアンヌ・ネフスキーさんが「患者を家から連れ出し、もっと歩かせることができます」と言うように、美術館を訪れるには、家から外に出て、長時間歩いたり立ったりするなどの身体活動が必要です。自宅に引きこもる人や手術の前後に体調を整えて体力をつけることも期待できます。

皆さまもゴールデンウイークにはぜひお近くの美術館に出かけてみてはいかがでしょうか。

<参照>
MMFA-MFdC Museum Prescriptions: Museum Visits Prescribed by Doctors, Montreal Museum of Fine Arts, Published on October 11, 2018
■Jamey Keate, Stressed? Sick? Swiss town lets doctors prescribe free museum visits as art therapy for patients, Medical press, March 23, 2025