男性不妊と松節

 

 

 


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先日、最近の男性は性生活が少ないという記事を読みました。不妊治療をしているご夫婦でも夫が協力しないことが少なくありません。「仕事で疲れている」と言われますが、男性は補陽よりストレスの要素が大きいです。

今の男性のストレスの特徴は、ストレスがあっても発散できないことです。これは気です。日本では「気」という言葉をよく使いますが、気虚になると気弱(きじゃく)になり、気弱になると気は短くなるのでキレやすくなります。

気が弱くなると気が詰まって気滞になり、痰湿が増えます。日本は雨や雪が多く湿気も強いので外湿が多いのに加えて糖分をとりすぎる食事で内湿も多く、痰湿がたまっています。

 

このような時は松節がよいです。

松節は松にできているこぶで、『本草綱目』には筋や骨を強くする、耳や目をよくする、女性の生理とおりものを治療する、臭覚がよくなる、関節がよくなる、中風をよくするとあります。中風は気虚で、脳梗塞だけをさすのではなく、汗をかきやすくて冷たい風にあたるとくしゃみがでるとか鼻が詰まることも含まれます。

 

北京中医薬大学の処方に松節と塩附子というものがあります。
塩附子は四川で使われ、附子に塩をつけて乾燥させたものです。日本では塩附子がないのでかわりに炮附子(ほうぶし)等を使います。脳梗塞や発作後の後遺症に使われ、ある有名な政治家が脳梗塞で倒れた時にこの処方で歩行と会話ができるようになりました。松節は経絡を通じさせ、附子は心の陽気を強くするので心臓の元気を出します。

 

私はこれを参考にして、男性で元気がない人に松節と炮附子を処方しました。ある奥さまから「附子はトリカブトですが大丈夫ですか」と質問がありましたが、医薬品として認可されているものは問題はありません。

 

最新の研究によると、松節には交感神経を抑えて精神を安定させる働きがあります。
また、あたためて気をめぐらせる力があるので患者さんは元気が出ます。松節の温陽利湿効果は腎をあたためますので、花粉症や鼻水にも松節と炮附子はよいです。

 

松節と炮附子を使うと精子が元気になります。

男性不妊の患者さん、36人が松節と炮附子を飲んだところ、全員が精子の運動率と直進率が約30%よくなり、肩こりや頭痛等の自覚症状も取れていきました。

今、心が冷えて弱くなっている方が多いので、心の陽気を強くする働きが必要です。松節と炮附子の使い方は一つの選択肢になると思います。