『HEALTH PLUS Vol.53 2026』が発売中です。
今回、私は「慢性子宮内膜炎患者への松節の応用」と題してお話しました。
松節は、松が傷ついた部分を修復するために治癒成分が集まったものです。中国の古書に「骨を強くして、眼、耳の経絡を通す」と記載があり、古くから生薬として関節症やリウマチ、中風など多くの症状に使われてきました。
松節は、生薬では鎮痛の役割が最も知られています。これは炎症を抑える、血流を良くして環境を整える、脳からの痛み抑制システムをサポートするという複合的なアプローチによるものです。香りがあるので、自律神経失調や気持ちの落ち込みにも使われます。
2025年4月に東京国際フォーラムで開催された国際生殖医学会2025において、反復性流産の原因のひとつである慢性子宮内膜炎患者に抗生物質・タンポポT-1・松節を併用すると、28週以上の妊娠率が抗生物質単独群に比べ、併用群は有意に改善したことが発表されました。
中国の古書には「(松節は)女性の病気を治す」との記載もあります。温陽利湿といって、体をあたためて体から余分な水を排出する働きがあり、瘀血を取るので子宮内膜症や子宮筋腫、不妊症を含む婦人病にも使われてきました。
今回の報告は、抗生物質・タンポポT-1・松節の併用療法が慢性子宮内膜炎関連反復性自然流産患者にとって新たな治療の選択肢となる可能性を示唆しており、慢性子宮内膜炎に関連する着床障害や不育症に悩む方にとっては朗報です。
実は、松節を不妊治療に使い始めたのは、世界的に有名なある先生のアドバイスがきっかけでした。誌面ではこの時のエピソードも含めて発表の内容について詳しくお伝えしています。ご一読いただければ幸いです。
<参照>
■邵輝、「慢性子宮内膜炎患者への松節の応用」、『HEALTH PLUS』Vol.53 2026











