ナスが子宮頸がんの薬に?!


Photo by jackmac34

煮ても、焼いても、揚げてもおいしいナスは、夏の食卓には欠かせない食材です。

おいしいだけでなく、ナスの皮の紫色には強い抗酸化作用があります。

漢方では、暑い夏に体の熱を取る働きがあるナスを食べるとよいとされますし(ですからナスは体を冷やすので冷え性にならないように「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉があるのですが)、イボや歯の痛み、口内炎にも使われます。ナスの皮やヘタを患部に貼り付けたり、黒焼きにして歯磨き粉のように使います。

さらに、名古屋大学大学院の研究チームが、ナスのヘタに含まれる成分に、子宮頸がんなどのヒトパピローマウイルス関連疾患の治療薬の可能性があることを報告しました。

同チームは以前、乾燥したナスのヘタのエタノール抽出物、9-oxo-ODAsが卵巣がんとコンジローマを軽減することを報告しています。

今回は同じHPV関連疾患である子宮頸がんに対する増殖抑制効果を検討し、9-oxo-ODAsは試験管内試験、および生体内試験の両方で子宮頸がん細胞の増殖抑制を誘導することができ、HPV関連疾患の有望な治療候補であると結論づけています。

何気なく食べているナスに、こんな素晴らしい働きがあるとはうれしい驚きです。

<参照>
■Kazumasa Mogi et al., 9-oxo-ODAs suppresses the proliferation of human cervical cancer cells through the inhibition of CDKs and HPV oncoproteins, Sci Rep. 2023; 13: 19208. Published online 2023 Nov 6. doi: 10.1038/s41598-023-44365-3, PMCID: PMC10628276, PMID: 37932321