不妊治療において、胚をいつ戻すかは重要なポイントです。初期胚移植は4〜8分割の受精卵を、そして胚盤胞移植はさらに培養を続けて胚盤胞を移植する方法で、どちらを選択するかは、医師の医学的に最適と思われる提案をもとに、患者さんと相談の上、決定されます。
一般的に、胚盤胞移植の方が妊娠率が高い傾向があります。胚盤胞まで育てるメリットとしては、より育つ可能性の高い胚を選別できるということがあります。また、準備が整っていない子宮に移植してしまうリスクを減らすことができる、移植数を少なくできる、染色体検査を行う際に赤ちゃんになっていく細胞を傷つけずにサンプリングを行うことができるという利点もあります。
ただ、必ずしも胚盤胞移植が正解というわけではありません。35歳未満で採卵数が12〜15個以上、かつ3日目の良好胚が4〜5個以上ある方や、原因不明の不妊治療失敗を3回以上経験し、3日目胚の質は良いのに着床しない方、移植後も良好な胚が6個以上残っている方は胚盤胞培養が推奨されることが多いですが、初期胚の数が1〜2個と少ない場合は、すべて失うリスクを避けるために初期胚での移植を勧められることもあります。
胚の質や患者さんの年齢が成功率に大きく関連することはもちろんですが、昨今はクリニックの技術力や設備、そして専門知識と技術を持つスタッフが十分いることが結果を左右する可能性が益々高くなってきています。
例えば、培養技術において、従来は複数の胚をまとめて培養し、観察のたびに培養器から出すため、ガス濃度が不安定になりやすく、特定の時間にしか観察できませんでした。
一方、最新のタイムラプス培養システムでは、胚を個別管理し、培養器は開閉不要のため外気に触れずに安定した環境を保つことができます。また、24時間のモニタリングでポテンシャルを正確に評価できます。
医療は一般論では済ませられない面が多々あります。ご自身の現在の状況にいちばん適していることを大切にしながら選択いただければと思います。

