オリンピックが閉幕し、引き続き、パラリンピックでも目を見張るプレーが繰り広げられています。
オリンピックでは選手のコンディション調整に代替医療が用いられることも話題になります。吸い玉や鍼灸、マッサージは定番化してきた感がありますが、今回のパリオリンピックでは、「パリ大会に参加する連盟は合計で1万6000トン以上の氷を要請」したほどアイシングが大流行しました。氷風呂の効果については賛否両論がありますが、フランスの製薬大手、サノフィも体から放出される赤外線エネルギーを特定の部分に向けて反射する粒子が含まれるという鎮痛パッチを販売するなど、選手のパフォーマンスを上げるためにさまざまな方法が検討されています。
そんな中、20キロメートル競歩で金メダルを獲得した中国の楊家玉選手のおへそに貼られていたシールが話題になり、「アジアのアスリート、特にチベットや中国系のアスリートは、 へそからエネルギーが失われるという文化的に確立された信念を共有しており、へそから悪いエネルギーが吸収されるという考えにまで及ぶ迷信がある。 そのため、この地域の多くのアスリートはテープや包帯でへそを覆うことを選択する。基本的に、自分の内なるエネルギーを閉じ込めるためである」と報じている欧米系メディアもありました。
選手たちがどういう理由でおへそをカバーしたのかは知るよしもありませんが、おへそは神闕というツボで、東洋医学ではとても重要なツボであることは間違いありません。おへそに膏薬を貼る臍療という治療法もあり、便秘や腸炎、過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎などにも使われます。
夏の暑さの疲れから胃腸の調子がよくない方が増えてきています。改めて冷たいものを取り過ぎない、また、おなかが冷えないように衣服でカバーすることに加えて、おへそに温灸をすることは有用なセルフケアになります。夏の疲れを残さないためにも、おへそへの温灸をおすすめします。
<参照>
■Andy Hall, The reason why some athletes have their belly button covered in the race walking event, as, Jul 31st, 2024