土用の丑の日は体のメンテナンスを


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2024年の夏の土用の丑の日は、7月24日と8月5日です。

土用の丑の日にはウナギを食べるとよいというのはよく知られており、奈良時代にはすでに夏バテ防止にウナギを食べるという習慣がありました。

ウナギ以外にも、土用の丑の日には梅干しやキュウリなど「う」のつくものを食べるとよいといわれます。

中国では、夏ののどの渇きを癒すために、酸梅湯がよく飲まれます。本格的なものは烏梅やサンザシなどこだわりのレシピがありますが、ご家庭なら、漬けた青梅を水や炭酸、緑茶で割ってドリンクとして飲むのが手軽です。


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キュウリの利尿作用と余分な体熱を取る働きは、夏にはとても重宝します。一方で、胃腸の弱い人や冷え性の方は、煮る、炒めるなど熱を加えて食すとよいです。また、キュウリはよく酢のものとして食べられますが、酢はキュウリに含まれるビタミンCを破壊する酵素の働きを抑える作用があるとのことで、昔の人々の知恵にはいつも驚かされます。

もうひとつ、「う」がつくおすすめのものにお灸があります。夏の土用に体調を整えるためにお灸を据える「土用灸」は、夏の季語としても知られます。

東洋医学では夏に陽脈の海と呼ばれる督脈に温灸をして、陽を補います。夏に陽を十分に補うことで、冬の寒さによる病気を防ぐという考え方です。ご家庭ではシンプルにおへそに温灸をするのがよいです。暑くて冷たいものを取り過ぎており、思っている以上におなかが冷えています。

まだまだ厳しい暑さが続きます。土用の丑の日は、どうぞおからだをいたわる一日としてご活用ください。

<参照>
■鈴木昶、『身近な「くすり」歳時記』、東京書籍

身近な「くすり」歳時記