ニンジンで免疫力アップ


Photo by Roberto

ニンジンは年中手に入りますが、ちょうど今頃、旬を迎えます。
寒い時期に収穫されたニンジンは甘みがあり、みずみずしさも格別です。

民間療法では、のどの痛みや咳には生のニンジンをすりおろしたものを飲むとよいとされますが、免疫システムに不可欠なビタミンAの前駆体であるβカロテンを豊富に含むことから、西洋医学でもニンジンは免疫力を高める野菜とされています。

先日、南デンマーク大学の研究チームが、ニンジンジュースを飲むと免疫システムが強化され、炎症が軽減される可能性があると発表しました。

ニンジンはジュースにしてもよいですが、そのまま食べれば食物繊維も摂ることができ、免疫力全体としてはさらによいと思います。

近年、健康維持の文脈において炎症というテーマが注目され、さまざまな食材で抗炎症作用に関連した研究が行われています。
私が長年研究している松節も漢方では抗炎症剤としてよく使われており、今後、広く応用されていくのではないかと期待しています。

炎症の緩和を考える際に、抗炎症作用のある食材を摂るということと同じくらい、炎症を誘発する食材、例えば超加工食品や砂糖などをできるだけ摂らない、または速やかに排出するという解毒の考えが大切です。

健康があってこそご馳走もおいしく食べられます。
クリスマスケーキのおいしさを楽しみながら、旬のニンジンの甘さもぜひ味わってください。

<参照>
■Morten Kobaek-Larsen et al., Carrot Juice Intake Affects the Cytokine and Chemokine Response in Human Blood after Ex Vivo Lipopolysaccharide-Induced Inflammation, Nutrients. 2023 Dec; 15(23): 5002., Published online 2023 Dec 2. doi: 10.3390/nu15235002, PMCID: PMC10707883, PMID: 38068860