「11月の色」をご存じですか。
新潟県の十日町織物工業共同組合が、日本の伝統色をもとにそれぞれの月の色を選んでいますが、11月は黄色みがかった鮮やかな朱色です。
恋染紅葉(こいそめもみじ)というすてきな名前がつけられています。
西日本や東日本の平野部が紅葉シーズンに入り、各地で紅葉狩りを楽しむ様子が見られます。
日本の秋は紅葉と切っても切り離せないほど深く結びついており、紅葉おろしやもみじ鍋など食べ物にも「紅葉」がしばしば見られます。
おもしろいのが、竜田揚げの名前の由来です。
「竜田」は奈良県にある竜田川のことです。
竜田川は百人一首にも「嵐吹く三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり」「ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは」と詠まれる紅葉の名所ですが、しょうゆに染まった揚げ物の色と、表面にまぶした片栗粉の色を、川面の紅葉と白波のコントラストになぞらえているとのことです。
これを聞いて、以前、ミニチュア写真家の田中達也さんが、唐揚げを紅葉に見立てた『行楽の秋より食欲の秋』という作品を作られていたのを思い出しました。
遊び心のある感性が楽しいです。
漢方薬としての紅葉の使い方については、別記事の『紅葉のお茶』に書いていますので、こちらもぜひご覧ください。
<参照>
■伴治郎HP
■田中達也、『行楽の秋より食欲の秋』、2017/10/7
■邵輝Official Blog、『紅葉のお茶』、2020/12/3